ジョイントと二人、テラスから星を眺めてた
オリオン座の星の数が、日本で見るそれよりも多かった
ひしめき合う、路地を抜けた先にある宿
俺から見て斜め左の向こう側から
インドの言葉かすらもわからない、大音量の演説が聞こえる
目の前からは、インドの歌謡曲 右斜め後ろからは時折鐘の音が聞こえる
さっき見下ろしたら白と黒の斑の牛が、ゴミ捨て場のゴミを漁ってた
バラナシは眠らない街だ 騒音と喧騒と
小道を歩けば、三歩ごとに別のプッシャーが商売に精を出す
星達が今日のエンディングに登場し始めると
さっきまで沢山いた不法侵入常習犯のサルたちは姿をくらます
ジョイントは、「風が当たると体が削れる」と怒って俺に火花を投げた
発熱でダウンして、引き篭もりの俺はまだ この街何も知らない
知ってるのは、夜の騒音と停電の時間帯だけ
花火は、俺がテラスに姿を現すと声を上げて咲き始めた
俺はまだまだ青い この時期熟しちゃもったいねぇ
追熟するにもまだ早い 用意された道にアスファルトを塗った奴らに申し訳ない
だから今日は、もう一本必要だな